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2004.02.07 ページ2
 demo1「事例紹介 : 地球を守る」 講師:SIHO
 demo2「事例紹介 : WEBアニメーション制作の流れ」 講師:A.e.Suck
 demo3「FLASHで作ろう!多彩なエフェクト」 講師:宮地 成太郎
 企業demo1「最新Webコンテンツ管理システム」 株式会社フレームワークスソフトウェア
 企業demo2「リモートサポートの必見ソリューション」 株式会社インターワーク
司会:サブリン

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事例紹介 : WEBアニメーション制作の流れ


講師:A.e.Suck

Flashアニメの制作過程を、受注から完成までドキュメンタリータッチで熱く語ってくれました!

 

コンテンツ制作の依頼が舞い込む。


 2002年12月19日
 名古屋の制作会社、タービン・インタラクティヴ(以下タービン)さんからメールでコンテンツ制作の依頼が舞い込みます。

内容は以下のとおり。
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・参加者(小学校低〜高学年対象)にメールで定期的にFlashアニメ中心のコンテンツを配信すること。
・テーマは「大名のくらし、江戸の風俗と文化」

−中略−

・コンテンツは全10回を予定
・オープニングアニメ(導入)、エンディングアニメ(全編終了後)予定
・各ストーリー、尺、展開方法については未定(応相談)
・2003年4月1日公開
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地球を守らなくちゃ…


 ところが、2003年初頭、A.e.Suck氏は地球を守ることになっていたのです。(「地球を守る」アニメーション制作協力)

 そんなこんなで、話は年明けに持ち越しに。

明けて2003年


  タービンさんより改めて、演出、コンテ、作監(※)などで参加打診があり、それなら関われそうってことで、話はまとまりました。

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※作監とは?
 作画監督のことで、複数のアニメーターが分業するアニメーション制作において、ビジュアル面を統一する役割です。各原画家から上がってきた原画のキャラや芝居をリテークしたり、直接修正するのが主な仕事です。日本では1960年代の初め頃に確立されました。
 今回は、短期間で全10話制作というボリュームに対応するために作監システムを導入してみたとのことです。
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作監システム


 今回のワークフローはざっとこんな感じです。

---------------------------------------------------------

シナリオ
  ↓
絵コンテ (各Flashアニメーター)
  ↓
絵コンテチェック (作監)
  ↓
Flash作画 (各Flashアニメーター)
  ↓
Flash作画チェック (作監)
  ↓
Flash作画修正 (各Flashアニメーター)
  ↓
Flash動作確認 (作監)

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 作監としてコンテンツ制作に参加する運びになったA.e.Suck氏。
 1人じゃ無理でも、分業すれば4月公開も夢じゃない。

 

 それでは、進行の様子をこっち(東京)あっち(名古屋)に分けてご紹介します。

打ち合わせに向けて
こっち(東京)
あっち(名古屋)

2003年1月9日
Flashアニメーターを手配

 

2003年1月17日
打ち合わせスケジュール調整

シナリオ進行中


うら話:シャチボン?

あっち 「何か名古屋みやげをと思っていますが、 リクエストありますか^^?」
こっち 「シャチボン。嘘(笑)みやげはなくていいですよ。」

打ち合わせ
こっち(東京)
あっち(名古屋)

2003年1月22日

参加者:
A.e.Suck氏、FlashアニメーターMさん、I さんの3名

お願いしたもの:
・スタッフメーリングリスト
・FTPサーバー
・不足のキャラ表



参加者:
ディレクターSさん、シナリオMさんの2名


用意してくれたもの:
・企画書
・キャラ表(AI)
・シナリオ(PDF)
・資料(江戸時代の書籍、画像など)
・スケジュール表

担当区分:
・絵コンテ、ライブラリ作成
・絵コンテチェック
・アニメ作画、音入れ(AIFF)、仮オーサリング、ビットマップ(PSD)とテキストは仮
・アニメ作監チェック


・修正

担当区分:
・アニメ以外の制作
・シナリオ改訂稿
・セリフの録音


・アニメ内容チェック
・ビットマップ、テキスト最終版に差し替え、Scriptの埋め込み、インターフェイスに組み込み


続うら話:(名古屋土産シャチボン図)

 名古屋の人たちが本当に土産にシャチボンを5匹!

 俯瞰側面/正面

 シャチボンを食べながら、こっち(東京)の担当話分担を決定。
A.e.Suck氏がオープニング&2話を、Mさんが奇数話を、I さんが2話を除く偶数話&エンディングをそれぞれ担当することになりました。

Flashでの作業


■アニメーションを作る前に

 先方が用意したキャライラストは、企画書用のため、アニメでそのまま使うには不十分。
 そこで、正面や横のアングルも追加してもらい、キャラ表が制作されました。


■IllustratorからSWF書き出し

 Illustratorのキャラ表をFlashに読み込み、汎用アニメーションシンボルのライブラリを制作します。

 絵を使いまわすときに注意したいのは、刀の位置。和服の襟など。左右非対称のキャラには注意が必要とのこと。

 同じ絵を効率よく使うためには、絵コンテの段階でどの表情を使うのかを決めておくのが秘訣だそうです。SIHOさん同様最初の計画が肝心なんですね。


■シンボル名のルール

 Flashでアニメーションを作るときは、複数人でシンボルを共有して作業が進みます。
誰が見ても分かるように、また名前がダブらないようにシンボル名の付け方にはルールを決めるそうです。(シンボル名は話数を接頭する、など)


■ライブラリの共有

 A.e.Suck氏が作ったシンボルを各アニメーターさんがダウンロード。各々が担当するシーンでライブラリを拡張し、皆で共有します。

■背景

 ・背景は線を使わない。(拡大・縮小に対応するため)
 ・パーツごとにレイヤー分けして書く。
 ・パーツは見えない部分も書くとよい。カメラワークに対応可。
 ・シーンにより近景・中景・遠景を使い分け、ライブラリ化。

■仮ボタンの配置

各シーンのタイムラインが長くなるため、カットごとにラベルをつけておき、ガイドレイヤーに配置した仮ボタンで、作業箇所にジャンプできるようにすることで、オーサリング効率をよくします。


■レイヤー名を整理してから納品しよう

 A.e.Suck氏のプロのこだわりはレイヤーの名前付けにもありました!
納品するFLAファイルのレイヤー名は順番に振って見た目にもきれいにするそうです。


 以上、A.e.Suck氏によるFlashアニメーションの制作事例でした!

 今回ご紹介した事例は、以下のサイトでご覧になれます。
江戸へタイムスリップ!尾張の殿さま よしなおくんからの手紙

 A.e.Suck氏は最終的に作画監督ではなく、アニメーション監督としてクレジットされています。

 

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