学習もののときは、動きがある無しに関わらず、初稿があがってきてから文章とのバランスで挿絵を考えます。
文章で説明するよりアニメーションにするほうが、断然伝わりやすいです。
初稿の中でも、説明が複雑になっている部分は削除したり省略したりして、その説明をアニメーションにゆだねます。
アニメーションならば、解明されている部分だけを強調することができるため、比較的「未解明」な部分に触れずに済ませられるからです。
そして文章では「~~は、まだわかっていません」などと補足します。これは、「なぜ勉強するのか?」というあたりまえに沸く疑問への解として含めています。「だって、分からないものは、知りたいでしょ」という訳です。
学習ものの挿絵で一番気をつけないといけないのは、「全て解明されている風に見えること」です。映像化することは、理解を得やすいですが、反面に誤解されやすいという部分も併せ持ちます。ここでもまた、「語り過ぎ」には用心する必要があります。
「大気中のOHラジカルという微量元素が光化学反応で変化し、大気中から酸性物質を取り除く役目を果たしているらしい…というアニメのコンテ」
反応を繰り返して、大気中の酸性物質にも影響を与えるという部分にのみぐぐっと焦点をあててプランしました。実際は、これに研究者さんからの指摘で数コマが加わりました。