言いたいことと伝えたいこと [Edit]

日本語はとても細かなニュアンスを表現できる美しい言語です。けれどその反面、いろいろな表現ができる分だけ、誤解を招きやすい言語だとも言えます。
伝えたいことは同じでも、言い回しによって敵を作ったり、評価を上げたりという違いがうまれます。

私の新入社員のころの失敗談です。当時、営業として配属されたにも関わらず、外回りに出してもらえない時期がありました。苛立った私は、上司にこう言いました。

「何故、外に出してもらえないのですか?これでは事務みたいじゃないですか?」
これは失言でした。私が伝えたかったことはこう言うことです。

「営業として配属されたのに内勤続きでは、中途半端な気がしてなりません。営業として外に出すことを躊躇させる原因を教えてください」
違いは明白ですね。
目的は、外回りに出してもらうことです。それを達成するために事務職と比較する必要はありません。
結果として、上司には怒られ、事務の方にも不快な思いさせたうえ、外回りはまだしばらくお預けになりました。
もし、後者のように発言していたら状況は違ったものになっていたかもしれません。

たとえ、発言者の性格や発言の背景をも知らない相手にさえ、誤解無く意思を伝えられる文章にすること。これは、発言者が感情にまかせて言いたい言葉とは違うことのほうが多いような気がします。
たいてい、相手に話を聞く義務はありませんよね。相手の立場や性格を思い、聞く気を起こさせる言葉を選んで始めて、発言は伝えたい相手の耳に届くような気がします。

言いたいこととは、自分が思考の中心である文章。一方、伝えたいことは、伝えるべき相手を想う文章だと思います。メールを使うときは、必ず読み返してから送信しています。
話す際は、少し考えてから話し始めるようにしているのですが、成功しているのかはまだまだ自信がありません。

あなたが、失言を減らすために心がけていることは何ですか?

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