ウン年前の入社面接での質問に「企画に必要なことは何か?」とあった。答えたのは「普通であること。そして半年先を想像する目」。
コンテンツ制作で一番最初に行うのは“伝えるべき相手を想像する”ことではないかしら? それは「大衆」と言い換える事はできないだろうか?
では、大衆に訴える手法とは?
それは、日々の暮らしの中に溢れているゾ。新聞の見出し、電車の中づり広告、街中に溢れているポスター……。
けっして、「使いまわされた」などという事なかれ。
テキストの配置や素材の組み合わせ方など、一見ありふれている様に見えることがらでもよくよく見ると深〜いノウハウが隠れているもの。その先人達のノウハウを観察し、自分なりに分類したらTipsとして引き出しにしまって置くのだ。
そして、必要な時に引っぱりだして、半年後、つまり出来上がるころを思いながら組み合わせる。
未知のものを生み出すより、既知のものを組み合わせる方が早いし、安いし、浸透するコンテンツになるものさ。
人から聞いた。「企画は99%の過去のものに1%の新しい事で構成される」て。
私は違うと思う。組み合わせるだけで十分なんだ。引き出しにしまっておいたたくさんの欠片たちは、時を経てから引っぱりだされる。新しい企画のために。
その欠片は、以前引き出しにしまったときから確実に変化しているはずなんだ。
物質が反応しあうみたいに、Tipsもお互い干渉しあって変化して行くんだ。
自分なりの引き出しで熟成されたTipsたちは新たな組み合わせ方のなか別の光を放つ事だろう。
「新しい事」なんて意識しなくても、それは十分新しい、ううん、個性的なのに普遍的である、そんな素敵な企画になるはずだ。
「機を衒う勿れ」伝えたい相手と伝えたい内容をしっかり見つめて、今まで見てきたイメージのなかでどれが一番近いだろう?そして、足りない事は何だろう?一つ一つ整理する事から始めてみよう。
きっとそれだけでいいんだ。たぶん、それがいいんだ。
この記事へのコメント
●1.河合(2004年02月12日 17:33)
2/7のセミナーでも、とても参考になるお話が聞けました。
・設計者にとっての、お客様(ターゲット)は、作業担当者である。
・ネックになりそうな作業は、可能な限り事前に対処して効率よくする
などなど
経験に基づいたノウハウを理詰めで解説されていたので判り易かったです。
アンケートでは、SIHOさんとA.e.Suckさんで、甲乙つけがたかったんですが、
僅差(=シャチボン?)でA.e.Suckさんに1票入れました。
が、両方に票を入れたかったです。ぜひ、次回...
●2.SIHO(2004年02月13日 15:51)
ありがとうございますー。ちょっと、修正。
・設計者が、最初に射落とすべきターゲットは、制作スタッフ。
かね。