2010.2.7 コンテンツ制作、目のつけどころと制作事例 [Edit]
最終更新日:2013.07.02
demo1「ざっくり解説 日本のFlash Liteの仕様 2010」 岡田昇三
demo2「ケータイ案件の中身とMR新作発表会」 サブリン
demo3「宇宙ワンダーについて&おまけのモバイル事例紹介」 馬場鑑平、丸山彰吾、原ノブオ
当日には、108人のご参加をいただきました。ありがとうございました!
セミナーへ参加した方のコメント、トラックバックはこちらの記事にお願いします。
追記
- 2010.2.17
- demo3のレポートを公開しました。
- 2010.2.16
- demo1、demo2のレポートを公開しました。
demo1:ざっくり解説 日本のFlash Liteの仕様 2010
講師:岡田昇三
株式会社hi-posiの代表である岡田さんに、Flash Liteの仕様についてテクニカルな面を中心に語っていただきました。なお、当日のスライドはケータイと連動しており、参加者が「なるほど!」と思った時点でケータイのボタンを押すと、リアルタイムでスライドに「へぇ~」という文字が流れる仕組みになっていました(最終的には「1111へぇ~」になりました!)。
Flash Liteの仕様について
- 日本ではキャリア毎に機能制限(容量制限、ソケット通信ができないなど)がかけられているため、3キャリアで共通になっている仕様を細かく解説いただきました。
- デバイスフォントの大きさについては、横幅240pxのSWFで日本語が何文字表示できるか?を調べた岡田さんのブログ記事「[FlashLite]デバイスフォントの大きさ」も参考になります。
- また、岡田さんはAdobeのFlashデベロッパーセンターでFlash Lite入門講座を連載されています。今回のセッション内容をより深く理解するために、ぜひこちらもご参照ください。
Flash Lite 2.0で作るメリット
岡田さんは、Flash Lite 2.0にすることによるメリットを、あまり大きく感じられないとのことでした。詳しくは、セミナー後に投稿された岡田さんのブログ記事「FlashLite2で作るメリット」をご覧ください。
携帯Flashサイト事例
岡田さんが制作に携わられた事例についてご紹介いただきました。単にFlash Liteを用いるだけではなく、デザイン、CMS、マルチユーザー、GPS、SNSなど、様々なものと組み合わせることで、より魅力的なコンテンツにすることを心がけているそうです。「アイデアを実現するツールの1つとして、Flash Liteを使ってみては?」ということでした。
また、セッションの最後にはケータイを使った早押しクイズが行われ、正解者の中から1名様に岡田さんの著書『Flash Liteで作る携帯コンテンツ実践教科書』がプレゼントされました!
demo2:ケータイ案件の中身とMR新作発表会
講師:サブリン
サブリンさんがCEO/クリエイティブ・ディレクターを務める株式会社メタルレッドで制作したケータイ案件について、技術的なポイントからクリエイティブに絡めた注意点まで幅広くお話しいただきました。
なお、後日セミナーでご紹介いただいた内容のサンプルを、サブリンさんにアップいただける予定ですので、お楽しみに!
- メタルレッドでは、基本的にFlash Lite 1.1で制作をしている
- 無理にActionScriptを使うのではなく、極力タイムラインを使っている
LISMO! モバイルサイト
- 縦に長いムービークリップを上下にスクロールさせるしくみ
- スクロール中は画質をmiddle、止まったときはhighに切り替えることで、画面描画の負荷を軽減させている
- 自分のプロパティ(_x, _yなど)を親のムービークリップから変更しようとすると、なぜか正常に動作しないことがあるので、自分のプロパティは必ず自分で変更するとよい
- スクロールするムービークリップと、スクロール後に別途表示したいオブジェクトは、別々のインスタンスとして管理する(スクロールの処理軽減)
- 画像の点数が多くなりすぎても、面積が広すぎても、描画が停止されてしまう → 試行錯誤しながらビットマップにするか、ベクターにするかを決定していく
LISMO! 待ち受けメーカー
- ユーザーが選んだ2つのアイテムの組み合わせで、あらかじめ決められた待ち受けのいずれかをダウンロードできるもの
- 外部ファイルを取得するためにキーイベントを起こさなければならないときは、「○キーを押して、2つの素材を合成しよう!」などの演出でカバー
- ケータイでは、Flashらしい動きが入るとユーザーの反応も良いので、可能な限り動かすようにしている
LISMO! 待ち受け
- 待ち受けでは、時計やカレンダーなど機能的なものを含めたものが人気
- Flash Lite 1.1はFlash Player 4準拠とはいえ、duplicateMovieClip()ができないので、画面に表示するもの(例えば雪とか)はすべてステージに置いている
au Smart Sports カロリーカウンター
- au Smart Sportsでは、万歩計のようなデータ(消費カロリー数、歩数、距離など)をFlashで取得できるようになっている
- このデータを使って、ユーザー自身のデータを表示するFlashを制作した(こちらはFlash Lite 2.0)
- 1万歩を歩くと、ゴール表示のボーナス
- au Smart Sports機能がない機種で見ている人用に、ランダムにキャラクターが走ったりするようにしている別バージョンも用意している
その他、多種多様なLISMO!プロモーションツールをご紹介いただきました。
demo3:宇宙ワンダーについて&おまけのモバイル事例紹介
講師:馬場鑑平、丸山彰吾、原ノブオ
日本の科学技術が抱く壮大な夢を描いたコンテンツ『宇宙ワンダー』。他にも『深海ワンダー』、『南極ワンダー』も制作されたバスキュールさんから、馬場さん、丸山さんにお越しいただき、工程や制作にあたっての心構えなどをお話いただきました。なお、ワンダーシリーズは今回で最後だそうです(残念!)。
当日のスライドについて、お二人に公開許可をいただきましたので、ぜひこちらから詳しい内容をご覧ください(キーボードの左右キーで移動できます)。
馬場さん担当分スライド 丸山さん担当分スライド
質問
内容が非常に正確にできていると感じましたが、どのくらいの期間で勉強されましたか?
- 企画を含めて2~3週間くらいですが、ほとんど作りながら勉強していました。
予算の帳尻は合いましたか?
- 合ってないです、暴走です(笑) 一番の反省点かもしれません。
制作期間は?
おまけのモバイル事例紹介
続いて、ディレクター原さんにモバイル事例のadidas『EVERY TEAM NEEDS... SUPPORTERS 参戦セヨ。』についてご紹介いただきました。
背景の話
- プロジェクトの目的:サッカー日本代表を盛り上げたい!
- コンテンツの目的:サポーターであることをアピールできる場を提供する。参加したこと自体に自己満足できるような場
- 他のユーザーの存在を知れるもの、全体像がひとつのモニュメント的なもの、お祭りとして気軽に参加できるものを構想した
どんなものか
- アバターを作成すると、QRコードが表示される。それを別のケータイで読み込むと、架空のスタジアムに自分と友達のアバターが並んで表示され、Twitter程度のメッセージを共有できる
- 登録したアバター、場所、名前などは、自動的にPCサイトにも表示される
なぜモバイルなのか
- とにかく数がすごい。いつも所持している
- デジタルの接点としての可能性。これに尽きる
注意していること
- ユーザーにリテラシー的な面は期待できない
- 全体像が見えてこない
- これはコミュニケーションツールだということ
やってみてどうだったか
- いろいろな人がやってる手ごたえが見えるので、制作側としても興味深い
まとめ
- キャリア依存の制限が、やたら多い
- でもアイデアで突破できるようなチャンスがあり、昔を思い出す
- ケータイで見るFlashなんだと安易に考えないでがんばりましょう
じゃんけん大会
今回も関係者、参加者の皆様からプレゼントをご提供いただきました。たくさんの賞品、ありがとうございました。
(株)ワークスコーポレーション様より
(株)毎日コミュニケーションズ様より
二次会
今回は西新宿の「北海道」にて行われました。カニをはじめとしたおいしい料理とお酒に舌鼓を打ちながら、Flash談義に花が咲いたようです。
- レポート作成
- 沖良矢
- 写真
- 桜井和貴、平岡 ぺぇ 丘成
(敬称略)