EaselJSの次期バージョン候補が公開される [Edit]

日本時間の7月9日GitHubに、EaselJSの次期バージョン(NEXT)が公開されました。細かな変更点は、EaselJS(NEXT)の「VERSIONS.txt」に書上げられています。これらについて、簡単にご説明します。[追記:2013/07/23] 7月23日現在の「VERSIONS.txt」に変更項目が追記されたので加筆しました

重要な変更(旧コンテンツの動作を損なう可能性がある)

  • すべてのonEventハンドラはなくす。
    • 例) DisplayObject.onClickDisplayObject.onTickBitmapAnimation.onAnimationEndなど。
  • ほとんどのマウスイベントはバブリングするようになる。
    • マウス操作した表示オブジェクトから表示リストの親オブジェクトにイベントが伝わる。
  • BitmapAnimationクラスの名前がSpriteに変わる。
  • MouseEventクラスは新たに定められたEventクラスを継承する。
  • SpriteSheet()コンストラクタの引数に渡すオブジェクト(data)に定められるプロパティfrequencyがspeedに置換えられるとともに、値の決め方も変わる。
    • プロパティspeedの値は、frequencyの逆数になる(speed = 1 / frequency)。
    • プロパティspeedには、整数だけでなく小数値も与えられる。
  • MouseEvent()コンストラクタに渡す引数からtargetの定めが除かれる。
  • EventDispatcher.dispatchEvent()メソッドの戻り値が、リスナー関数の戻り値にもとづくブール値から、Event.defaultPreventedプロパティの値に変わる。
    • デフォルト値はfalseEvent.preventDefault()メソッドの呼出しでtrueに定められる。
    • 参照: MDN「event.preventDefault

使用を推奨しない(将来のバージョンで除かれる)

その他の変更

  • Sprite.framerateおよびSpriteSheet.framerateプロパティが加えられる。
  • Sprite()コンストラクタの引数にframeOrAnimationを与えることができる。
  • BitmapAnimation.offsetプロパティはSpriteクラスからは除かれる。
  • 静的プロパティTicker.timingModeが加えられる替わりに、Ticker.useRAFは除かれる。
    • Ticker.timingModeプロパティに与えられる定数として、Ticker.TIMEOUTTicker.RAF、およびTicker.RAF_SYNCHEDが加わる。
  • Ticker.getMeasuredTickTime()メソッドが加えられる。
  • Stage.nextStageプロパティが加わり、インタラクションのイベントを送る。
    • 複数のCanvasを重ねた場合に用いる。
    • プロパティ名は変わる可能性がある。
  • Graphics.inject()メソッドが加えられる。
  • Text.getMeasuredHeight()メソッドが加わる。
  • Touchクラスのサポートについての修正と改善。
  • Container.setChildIndex()メソッドの引数に、子オブジェクトの総数より小さい整数を与えたとき起こる問題を解決
  • Graphicsクラスで内部的に用いていたクラスが、Graphics.Commandクラスとして公開される。
  • これまでのドキュメンテーションの更新を取りまとめ。
  • ドキュメンテーションやサンプル、解説などを大幅に更新。
  • MouseEvent.nativeEventがロールオーバーやロールアウトのイベントに含められた。
  • ロールオーバーやロールアウトのイベントは、マウスポインタがCanvas上になければ起こらない。
    • 例) スクロールのdivやDOMエレメントが上に重なっているとき。
  • Matrix2D.transformPoint()メソッドが加えられた。

このアップデートで主眼とされているアニメーションに関わる変更について、詳しくは「EaselJSの次期バージョン候補でアニメーションの扱いが変わる」をお読みください。

コメント

この記事にコメントを書く

記事に対するテクニカルな質問はご遠慮ください(利用規約)。

その他の記事