Starlingフレームワークには当たり判定のメソッドとして、DisplayObject.hitTest()が定められています。ただし、ActionScript 3.0定義済みのメソッドと細かな点に違いがあります。
第1に、引数が異なります。第1引数は座標を示すPointオブジェクトです(第2引数については、 「Starlingフレームワークでインスタンスをクリックする」をお読みください)。
DisplayObjectオブジェクト.hitTest(Pointオブジェクト, 対象の限定)
もっとも、ActionScript 3.0定義済みのDisplayObject.hitTestObject()メソッドと同じように、DisplayObjectインスタンス同士の矩形領域(境界ボックス)の重なりを調べる方法はあります。
StarlingフレームワークのDisplayObject.getBounds()メソッドで、インスタンスの矩形領域を表すRectangleオブジェクトが得られます。そして、ふたつのインスタンスのRectangleオブジェクトの重なりは、Rectangle.intersects()メソッドで調べればよいでしょう。
座標を渡す点では、ActionScript 3.0定義済みのDisplayObject.hitTestPoint()メソッドと似ています。でも第2に、当たり判定はあくまで矩形領域で、形状を見分けることができません。
ただし、インスタンスのBitmapDataオブジェクトが得られる場合には、ActionScript 3.0定義済みのBitmapData.hitTest()メソッドを用いてビットマップイメージのアルファまで識別した重なりが調べられます。具体的なスクリプトについては、「Starling フレームワークでビットマップ上のクリックを検知する」をお読みください。
第3に、メソッドから返されるのはブール値でなく、ポインタ直下のDisplayObjectインスタンスです。ただし、DisplayObjectContainerクラスでは同名のメソッドをオーバーライドして、子インスタンスを返します。詳しくは、リファレスンとして開設した「Starlingフレームワークで表示オブジェクトと座標の重なりを調べる」をご参照ください。