フェルマーの最終定理 − ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで サイモン シン(著)/青木 薫(訳) 価格:2,415円(税込) 発売:2000/01/30 出版:新潮社 ISBN:978-4105393014 |
ふたつの整数のn乗の和が、別の整数のn乗に等しいという式。nが2なら、誰でも知っている三平方(ピタゴラス)の定理です。
【三平方の定理】
x2 + y2 = z2
ところが、nが3以上になると、この方程式を満たす3つの整数の組は見つかりません。整数解は存在しないというのが「フェルマーの最終定理」です。
【フェルマーの最終定理】
3 以上の自然数 n について、xn + yn = zn となる 0 でない自然数 (x, y, z) の組み合わせがない。
17世紀にフェルマー自身が「真に驚くべき証明」を見いだしたとメモを残した方程式は、その後300年ものあいだ数学者を悩ませ続けることになります。10歳の少年アンドリュー・ワイルズがこの問題と出会い、悩み続け、挫折し、そしてついに証明に成功するまでのドキュメンタリーです。
若き日のアンドリューとともに、読者はギリシャ時代の数学から、この難問の研究成果を概観してゆくことになります。それは、同時に数論の歴史でもあります。数式は、本書にはほとんど出てきません。抽象的になりがちな数論を、技術的な側面より、その意義づけや役割という視点から述べています。
アンドリューが完全な証明に肉薄しながらも、一旦は挫折し、ついには解決にいたるクライマックスは、ドラマチックです。
参考: 松岡正剛の千夜千冊「サイモン・シン『フェルマーの最終定理』」
「数学にかけた人々『解けた!フェルマーの最終定理』」
Part 1/Part 2/Part 3/Part 4
*本書のもととなったBBC番組の日本語版。